見知らぬ猫たち

わたしは2匹の猫を飼っている。パンダマンとたぬ吉だ。2匹ともメスだ。

しかしある日、もう一匹知らない黒猫が家に居つくようになった。体のとても大きな猫だ。そしてとても不細工で可愛くない。わたしはこの猫が嫌いだ。追い出そうと思った。

引っかかれぬようにトレーナーの袖を伸ばして、黒猫をとっつかまえ、玄関にて「あなたのことは飼えないの。ごめんね」と心にも無いことを言いながら、猫を逃がしてすぐさまドアを閉めた。

ところが居間に戻ると逃がしたはずの猫が居る。どういうことだろう。

そうだうちは1軒家だけれど、猫を外に出さないこともあって、家を締め切っているのだった。だから猫なんて入ってくるはずが無いのだ。おかしい。

居間をよく見回してみると、また知らない猫が居る。今度は三毛猫だ。ちょっと可愛いけれど、猫4匹はとてもじゃないけどうちでは飼えない。2匹の猫で充分だ。

しかし家に入るところは無いはずなのに、どこから入ってくるのだろう。クローゼットとも押入れとも言えない物置の扉を開けると、大きな穴が開いていた。どうもここから猫が入ってくるようだ。しかし穴が大きすぎる。ガムテープでどうにかなるようなものじゃない。

大きな穴を見つめて途方に暮れていると、また家に猫が増えている。どんどん増えている。中には明らかに猫じゃない動物が居る。黄色い毛でたてがみがある。1.5mくらいしかないけど、お前は明らかにライオンじゃないか。同居人はなぜかライオンを撫でている。こんな状況でこの人は何をしているんだろう。共に穴をふさぐことをまず考えるべきじゃないのか。そしてライオンはちょっと気持ちよさそうにくつろいでいる。

あわあわしてたら目が覚めた。今現在わたしはマンション暮らしであり、その1軒家は実家に似ているようで似ていない、不思議な家だった。今パンダマンは早く寝ようよと寝室のドアをかきむしり、たぬ吉はソファで寝ている。

昨日の夢よりアバンギャルドさが足りないので、とても残念に思っている。